クラウドファンディング「Kick Starter」でPINE A64が実現!
今日は、PINE A64を紹介しようと思います。
このボードは、16/1月末までクラウドファンディングで出資を募っていました。
これに応募して、5月に入手したものの今まで動作させることができていませんでした。
現在は、PINE 64で入手できます。
PINE 64
http://pine64.com/
3連休ありましたので、電源をいれて動作させることにしました。
そのときの動作させるまでの内容をまとめました。
環境は、Windowsを前提に進めていきたいと思います。
Linuxを使用されている方は、全体の流れを確認いただければ
導入にそれほど戸惑うことはないと思います。
スペックの比較
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ご存じの通り、本機のライバルは、Raspberry Piシリーズとなります。
スペックを比較してみましょう。
Raspberry Pi 2 Model B | Raspberry Pi 3 Model B | PINE64 2GB | |
CPU | Broadcom BCM2836 | Broadcom BCM2837 | Allwinner A64ベース |
core | Cortex-A7 ARM11 32bit Quad Core | Cortex-A53 ARMv8 64bit Quad Core | Quad-Core ARM Cortex A53 64-Bit |
frequency | 900MHz | 1.2GHz | 1.2GHz |
GPU | Dual Core VideoCore IV | Dual Core VideoCore IV | Dual Core Mali 400-MP2 GPU |
MEMORY | 1GB | 1GB | 2GB |
type | DDR2 | DDR2 | DDR3 |
USB | USB 2.0 × 4 | USB 2.0 × 4 | USB 2.0 × 2 |
Ethernet | 10/100 BASE-T | 10/100 BASE-T | 10/100/1000 BASE-T |
WiFi | - | IEEE 802.11 b/g/n 2.4GHz | IEEE 802.11 b/g/n 2.4GHz(option) |
Bluetooth | - | Bluetooth 4.1, Bluetooth Low Energy | Bluetooth 4.0(option) |
カメラ入力 | あり | あり | あり |
オーディオ 出力 |
ピンジャック×1、GPIO端子にI2S装備 | ピンジャック×1、GPIO端子にI2S装備 | ピンジャック×1 |
ビデオ出力 | コンポジット出力×1 | コンポジット出力×1 | - |
HDMI | あり | あり | あり |
その他IO | GPIO×26、UART、I2C、SPI、I2S、PWM、5V、3.3V | GPIO×26、UART、I2C、SPI、I2S、PWM、5V、3.3V | GPIO×26、UART、I2C、SPI、PWM、リチウムイオン電池充放電制御関連ポート |
電源 | MicroUSB 5V 2.0A | MicroUSB 5V 2.5A | MicroUSB 5V 2.0A |
最大消費 電力 |
9W | 12.5W | 2.5W |
サポートOS | Raspbian (Debianベース)、Ubuntu MATE、Snappy Ubuntu Core、OpenELEC、OSMC、Arch Linux、PiNet、RISC OS、Windows 10 IoT Core | Raspbian (Debianベース)、Ubuntu MATE、Snappy Ubuntu Core、OpenELEC、OSMC、Arch Linux、PiNet、RISC OS、Windows 10 IoT Core | Debian、Ubuntu、Android 5.1.1 |
実売価格 (税抜き) |
¥4,410 | ¥5,250 | ¥4,095 |
PINE64とRaspberry PI3を比較してみると、PINE64がおおむね高性能です。
PINE64は、ビデオ出力、オーディオ出力やBluetooth規格でRaspberry PI3に劣っています。
メモリはPINE64は2GB、Raspberry PI3は1GBで、PINE64が優位です。
規格もPINE64がDDR3とRaspberry PI3より優位です。
消費電力もPINE64が圧倒的です。
費用もRaspberryシリーズに比べて抑え気味です。
このようなことからPINE64は十分おすすめできる一枚といえます。
ただし、Windowsを動作させたい場合は、Raspberry一択となります。
PINE64でWindowsが動作させられるとのことです。(2017.02.01更新)
SDカードを用意
まずは、SDカードを用意する必要があります。
SDカードは、8GB以上のものがあれば試すには十分です。
後々サーバや簡単なデスクトップ端末として使用することを念頭に置いているのであれば、USB HDDやより大きい容量のSDカードを用意するとよいでしょう。
使いたいOSのイメージをダウンロード
イメージは、以下のURLからダウンロードできます。
PINE 64 DOWNLOADS
https://www.pine64.com/downloads
↓のDownload Hereからダウンロードします。
この記事を書いている時は、ファイル名が「debian-mate-jessie-20160501-lenny.raposo-longsleep-pine64-8GB.zip」でした。
ダウンロードしましたら、イメージが改ざんされていないか念のため確認します。
上記イメージのMD5ハッシュを確認します。
HPによると、「9E1EF4292C540EB36A838816E2F16E83」であれば正です。
ハッシュ計算ソフトの導入
まず、MD5ハッシュを計算するソフトウェアを導入する必要があります。
Windowsで確認される場合は、「HashTab」というソフトがおすすめです。
ダウンロードしたファイルのプロパティからMD5を確認することができます。
詳細のインストール方法は、こちら。
ダウンロードしたDebianイメージのMD5ハッシュを計算
Debianイメージのダウンロードが完了したら、そのイメージのMD5ハッシュを計算します。HashTabを導入されているのでしたら簡単です。
Debianダウンロードイメージを右クリックしプロパティを選択します。
ハッシュ値のタブを選択します。すると自動的にハッシュ値の計算が始まります。
計算が完了したら、「ハッシュ値の比較」欄にあるエディットボックスに、HPのハッシュ値をコピペします。
一致確認ができました。改ざんやファイル破損の可能性はなさそうです。
ここまでで、イメージの入手は完了です。
Linuxを使用されている方は、md5sum等を使用できると思います。
すでに入っているものを使用することが無難でしょう。
SDカードにイメージを書き込む
さて、SDカードにPINE64を起動させるためのDebianイメージを書き込みたいと思います。
Windowsでは、ここでもツールをインストールする必要があります。
Linuxの場合、ddコマンドを使用できますので、改めてツールをインストールする必要はありません。
おすすめは、以下です。
Win32 Disk Image
公開サイトはこちらです。
Win32 Disk Imager 日本語情報トップページ - OSDN
https://osdn.jp/projects/sfnet_win32diskimager/
このツールは、PINE64のイメージを書き込む以外にも使用用途がありますので、おすすめです。
ダウンロードした「debian-mate-jessie-20160501-lenny.raposo-longsleep-pine64-8GB.zip」を展開します。
「debian-mate-jessie-20160501-lenny.raposo-longsleep-pine64-8GB.img」が出力されるので、そのファイルをWin32 Disk Imagerに入力します。
「Write」をクリックし、以下のメッセージボックスが表示されましたら、内容を確認してOKをクリックします。
書き込みが始まります。
しばし待ちましょう。
SDカードやPCの性能でいくらか変動しますが、10分程度で完了します。
ここまでで書き込みは完了します。
いよいよ起動!
MicroUSBで電源に接続し、SDカードを挿入、HDMIでディスプレイに接続します。
なお電源は、ANKERの5V 2.0A品を使用しました。
ipad充電用に購入したもので、これまで何度もipadの充電に活用してきました。
印字は、5V 2Aの文字。
電源をコンセントにつなげてみました。特に電源スイッチがあるわけではないので、通電直後に起動を開始します。
立ち上がらない・・・
ディスプレイには起動時のログが流れていきますが14秒程度経緯した後、
LEDが瞬灯し、再び起動時のログが・・・延々繰り返されていきます・・・。
なぜでしょうか・・・・
確証はありませんが、原因はPINE64にACアダプタの定格である2.0Aを超えて電流が流れてしまい
電圧が低下、リセットしたのではないかと考えられます。
または、使用したUSBケーブルの抵抗値が高く、大きな電流が流れてしまった時にPINE64にかかる電圧が低下してしまったことが原因である可能性もあります。
参考に、同等程度の性能と思われるRaspberry Pi 3を確認したところ、消費電力は12.5Wでした。
PINE64の消費電流は2.5Wとなっていますが、実際の消費電力は12.5W程度になることは不思議ではありません。
12.5Wであれば、電流は2.5Aになりますから5V 2.5Aが出力できるACアダプタを買って、もう一度挑戦してみようと思います。
(以下、追記 2016.07.22)
起動成功!
もしやと思い、かなりの電流を消費すると予想される付属の無線モジュールを取り外し、
5V2.0AのACアダプタに接続してみたところ、無事動作しました!
すみません・・・お騒がせしました。
本体自体の消費電力 2.5Wは、正しいのかもしれません。
しかし無線モジュールを使用する場合は、もう少しW数が高いものを選択する必要がありそうです。
そしてログイン。
パスワードは、PINE64のホームページにあるとおり、
user : pine64user
password : password
無事、デスクトップが表示されました。
画面は小さいですが、メモリは2GBと認識していることがわかります。
さて、次は、Wifiやイーサーネット接続を試して、
RaspberryPi2とのベンチマークをしてみたいと思います。
追記
この投稿に記載で使用しているimgは古く、最新のものがホームページに記載されています。
それを使用したセットアップ内容を追加しましたので、ご覧ください。
20160701公開のimgを使用しDebian Linux Jessieを動作させてみた!