前回の記事は、公式からダウンロードしたimgは、かなり古いものだったため(版は20160501。)以下の問題点がありました。
・Ethernetが遅い。(数k/secしか出ない。)
・Wifiドングルを挿入してもドライバがない。
カーネルのコンパイルを自分でしようと情報を収集し始めたとき、
PINE64 WIKIで7/1版のimgがあることに気がつきました。
そこで、前回の記事の内容から更新した点を記載しつつ、変化点についてまとめます。
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PINE64の起動イメージは、PINE64 WIKIから!
PINE64のDebian Linux Jessieの起動イメージは以下のURLにあります。
Debian Linux Jessie with Mate GUI Image [20160701] by lenny.raposo with Longsleep kernel
http://wiki.pine64.org/index.php/Main_Page#Debian_Linux_Jessie_with_Mate_GUI_Image_.5B20160701.5D_by_lenny.raposo_with_Longsleep_kernel
そこで、「Direct download from pine64.org」で直接HTTP経由でダウンロードするか、
「Torrent Download」からTorrent経由でダウンロードするか選択します。
サイズは、1.6GB程度です。
今回、私は、32GBのSDHCカードを使用しました。
その後、Win32DiskImagerでイメージをSDカードに書き込みます。
サイズはホームページの記載の通り、8GB以上必要です。
電源に接続して起動!
書き込んだら、SDカードをPINE64に挿入し、EthernetポートにLANケーブルを接続しましょう。
HDMIが接続できるディスプレイがあれば接続します。(SSHが有効になっているので、動作確認やサーバとしての設定であればディスプレイは不要です。)
電源を接続します。すると、PINE64は起動を開始します。
現状、スマフォ用の5V1A程度の出力があるACアダプタ(スマフォ充電器)で十分動作します。
USBに何らかの機器を接続する場合は、接続した分だけ電流を必要としますので、ACアダプタは別途購入した方がよいと思います。
購入される場合は、USB 4ポート×0.5A(USB1ポートあたりの規格上最大電流)+PINE64消費分が賄える、2.5A程度の出力が出来るACアダプタが後々の拡張などを考えると安心でしょう。
私は、これを使っています。
性能は、5V-2.5A出力となっています。
USB1.1/2.0は、規格で機器の1ポートあたりの定格が500mAまでと定められています。
これ以上の電流が必要な場合、セルフパワーのハブを用意する必要があります。
(2019.09.23 追記 どうやらすでに売り切れの様子です。代わりのものを探しました。)
しばらくするとPINE64は起動を完了します。
起動を完了したPINE64は、Xも起動出来ています。
Ethernetはケーブルに問題でも無い限り、難なくリンクアップします。
DHCPより自動的にIPアドレスを取得します。
SSHでログインする。
lightdm(Xのログインサーバ)でログインすることも可能です。
前回の記事でXからのログインは記載しましたので、今回はSSHでログインする例を記載します。
ルータなどの設定を確認し、割り当てられているIPアドレスを確認します。
IPアドレスが判明したら、早速SSHにログインします。
(現状デフォルトでパスワード認証は有効になっています。一連の設定が完了次第、無効することをおすすめします。)
クライアントは、puttyを使用しました。
http://www.chiark.greenend.org.uk/~sgtatham/putty/index.html
ログイン名/アカウント名は共に
debian
です。
これでログインは、完了です。
本格的に使用する前に!
ブートローダ/Linuxカーネルの更新
イメージは必要最低限の環境です。
イメージ公開後、ブートローダや、カーネルは日々更新を続けています。
早速、ブートローダとLinuxカーネルを最新版に更新します。
以下コマンドを入力してください。
sudo -i /usr/local/sbin/pine64_update_uboot.sh /usr/local/sbin/pine64_update_kernel.sh
この後、再起動を促されますが、少しやっておかなければならないことがあります。
/パーティションの拡張
イメージは、8GB用に作成されているため、現段階では32GBのSDカードの領域を使用できていません。
PINE64のイメージはそれを見越し、resize_rootfs.shを用意していて、自動的に拡張出来るようになっています。
以下コマンドで、SDカードの最大容量まで、拡張されます。
resize_rootfs.sh
が、私の環境では、うまく拡張出来なかったため、
shスクリプトが実行しようとしたことを手動で行いました。
まず、fdiskでパーティションを切り直します。
fdisk /dev/mmcblk0
を実行します。
対話モードになりますので、パーティション2をいったん削除します。
>d 2
その後、パーティションを再度作成します。
>n>2 >(パーティション2の開始は、パーティション1の終わりから+1を設定) >(パーティション2の終わりは、SDカードの最後まで。default値はそうなっているはずなので、そのままenter)
で作成し、
>w
で書き込みし、
>q
でfdiskの対話モードを終了します。
最終的にこのようになります。(私の環境の場合。SDカードは32GB。)
Disk /dev/mmcblk0: 29.8 GiB, 32010928128 bytes, 62521344 sectors
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: dos
Disk identifier: 0xa2427f8e
Device Boot Start End Sectors Size Id Type
/dev/mmcblk0p1 40960 143359 102400 50M e W95 FAT16 (LBA)
/dev/mmcblk0p2 143360 62521343 62377984 29.8G 83 Linux
そして、ファイルシステムは、8GBの時のままなので、調整します。
まずfdiskでの変更内容を反映します。
partx -u /dev/mmcblk0
つぎに、ファイルシステムを拡張します。
resize2fs /dev/mmcblk0p2
dfで結果を見てみましょう。
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/mmcblk0p2 30954380 5885788 23734980 20% /
devtmpfs 984684 0 984684 0% /dev
tmpfs 1018236 0 1018236 0% /dev/shm
tmpfs 1018236 9216 1009020 1% /run
tmpfs 5120 4 5116 1% /run/lock
tmpfs 1018236 0 1018236 0% /sys/fs/cgroup
/dev/mmcblk0p1 51082 12770 38312 25% /boot
tmpfs 203648 4 203644 1% /run/user/119
tmpfs 203648 0 203648 0% /run/user/1000
赤字の箇所の通り、30GBになっていますね。
確認出来ましたら、再起動します。
reboot
以上で、初期設定は完了しました。
これからどんどん使っていきましょう!
5/1→7/1で変更した点!
最後に5/1版から7/1版になり、変更された箇所について
以下のホームページで記載されていたものを引用します。
Debian Jessie Base & Mate Images June 30th 2016 Are Up
http://forum.pine64.org/showthread.php?tid=497&pid=4292#pid4292
Mate Desktop Environment Bluetooth Enabled Hardware Video Decode (VDPau) FBTurbo Xorg Package Sunxi Display Tool (Thanks to longsleep) Display Resolution Set To 1280x720p60 On Boot Sound Is Now Fixed (Using PulseAudio Instead Of ALSA Only) Latest longsleep Kernel (3.10.102) Kodi 16.X (Works In Windowed Mode View Screenshots Below) LibreOffice Midori & Firefox The GIMP & Inkscape
様々なスレッドなどでBTが使用できない、といった話題がありましたが、
どうやら修正されているようです。日本では使えませんが・・・。
また、これまで動画再生でHW支援機能が有効になっていなかったようですが、
これも改良されています。
ヘッドホンから出力されない不具合は、修正されているかまだ未確認です。
ちなみにname -aの確認結果は、以下の通りです。
Linux pine64 3.10.104-2-pine64-longsleep #113 SMP PREEMPT Thu Dec 15 21:46:07 CET 2016 aarch64 GNU/Linux